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インド南部に医療物流拠点 日本企業が来春、医薬品など輸出

 日本企業がインドの医療環境整備に向け、先進のITを活用して薬や機器の在庫、輸送を管理する物流センターを、来年4月にも南部チェンナイに設ける。安倍晋三政権が成長戦略に掲げるインドへの医療インフラ輸出が実現するのは初めて。13億人を抱える巨大市場で、日本の医療技術を普及させる足掛かりとする狙いだ。

 「インド長寿化計画」を掲げるモディ政権にとって、保健衛生分野の拡充は最重要課題の一つだ。日本政府は医療分野のインフラ輸出に積極的で、双方の思惑が一致した。

 物流センターの設置は、医療物流の実績がある鴻池運輸が中心となり、インド政府や現地企業の協力も得る。インドでは衛生状態の悪い医療施設が多く、院内感染も深刻だ。清潔な物品を医療機関に提供できるよう、センターには医薬品の定温管理や、手術用具などを滅菌する施設も整備する。遅れている臨床検査技術を向上させるため、日本製の臨床検査機器の導入なども検討し、日本の医療サービスや技術をパッケージで売り込む。

 鴻池運輸の天野実・インド統括本部本部長は「日本のノウハウを導入し、インドの医療の発展に貢献したい」と話した。

 インドは医薬品や手術用具など医療製品の供給機能が発達しておらず、欠品や期限切れが常態化している。南部チェンナイを州都とするタミルナド州のように、医療製品を公社が一括購入し、各病院へ納品する仕組みをとっているところでも、病院内の在庫管理は「未整備の状態」(日本政府当局者)。緊急時に薬の使用期限が切れているなど問題が後を絶たない。

 医療技術や保険制度を含めた日本の高度な医療基盤の導入に高い期待が寄せられ、チェンナイの物流センターは鴻池運輸など日本企業が維持や管理を担い、ITを駆使して医療機関への納入態勢を抜本的に見直す。日本の製薬会社とも提携し、日本の医薬品の市場開拓にもつなげる。

 日印両政府は昨年10月の首脳会談で医療分野の協力で合意。安倍政権は日本の医療や介護システムを輸出する「アジア健康構想」を打ち出しており、インド全体への展開を後押しする考えだ。(ニューデリー 共同)

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