メーカー

シャープ、白物家電の国内生産撤退 八尾事業所停止

 シャープは25日、国内唯一の白物家電の生産拠点で、冷蔵庫を製造していた八尾事業所(大阪府八尾市)のラインを止めた。昨年8月に今年9月までに海外に移管すると表明しており、計画通りの国内撤退となった。

 親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業出身の戴正呉会長兼社長は、構造改革の一環として国内の拠点の整理を進めている。シャープは来年度にも葛城事業所(奈良県葛城市)と平野事業所(大阪市)を閉鎖し、八尾事業所に機能を集約する方向で検討中だ。

 八尾事業所は昭和34年に洗濯機の工場として操業を開始し、シャープが総合家電メーカーに成長する足がかりになった。洗濯機やエアコンなどが段階的に海外に移管される中、国内に流通する大型冷蔵庫は運搬費を抑えるために製造を続けていた。

 冷蔵庫の生産の大半はすでにタイに移管しており、八尾事業所はモノのインターネット(IoT)に対応した家電の研究開発拠点になる。シャープは今後も白物家電の企画開発は国内で続けるとしている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus