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関電「癒着」進んだ原子力事業本部 福井移転後にエスカレート

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受領していた問題で、関電の原子力事業本部が平成17年7月に大阪市の本店から同県に移転して以降、金品授受がエスカレートしたことが30日、関係者の話で分かった。関電は運用する全ての原子力発電所が立地する同県に事業本部を移転することで、地元との信頼関係を深めようとしたが、結果的に癒着が進んでいった。

 福井移転直後の18年6月に原子力事業本部長代理に就任した八木誠会長(69)は「着任して元助役を紹介され、金品を渡されるようになった」と証言。別の幹部は「上の者は接触せざるを得ない。移転は大きな影響があっただろう」とみる。

 移転前の事情を知る関電関係者も、金品受領は移転後の原子力本部に集中しているとの見方を示す。

 関電では16年8月に美浜原発(福井県美浜町)3号機で11人が死傷する蒸気漏れ事故が起こり、高浜原発(同県高浜町)、大飯原発(同県おおい町)を含む同社の全原発が停止。県に再稼働の条件として地域対応の強化を求められ、原子力事業本部を移転した。

 ただ、関電の内部調査で受領が判明した20人のうち、複数人が移転後の原子力事業本部長や本部長代理の経験者であることが判明。移転後に元助役が関電側と接触する機会が増えたとみられる。元助役は地元建設会社の役員などを務めており、関電側が「過度に影響力を恐れた。金品を返そうと思ったが、激高されて返せなかった」(八木会長)ことから、さらに関係が深まった可能性がある。

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 【用語解説】原子力事業本部

 関西電力が福井県で保有する高浜、美浜、大飯の3原発の運転を統括する部署。地域行事への参加や広報活動も行う。大阪市の本店内にあったが、平成17年7月に同県美浜町へ移転した。事業本部長は副社長が務めることが慣例になっている。

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