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関電会長辞任、批判やまず一転 金品受領で5人引責 社長は第三者委報告後

 関西電力は9日、八木誠会長(69)ら5人が取締役や執行役員を辞任したと発表した。高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)から、八木氏を含めた役員らが約3億2000万円相当の金品を受け取っていた問題の責任を取る。第三者委員会の調査結果は12月下旬をめどとすると明らかにし、岩根茂樹社長(66)は原因究明のために残り、報告日付で辞任するとした。

 大阪市で開いた記者会見の冒頭、八木氏は「多大なご迷惑をお掛けし、改めて深くおわび申し上げる」と頭を下げ、辞任の理由を「経営責任を明らかにするためだ」と説明した。

 電事連会長も退く

 関電は八木氏は関西経済連合会の副会長を、岩根氏は電気事業連合会の会長をそれぞれ辞任することも併せて公表した。

 八木、岩根両氏は当初、続投に意欲を示していたが世論や政府の厳しい声に方針を転換、トップの進退に発展した。高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から役員らが約3億2000万円相当の金品を受領していた問題の責任を経営陣の刷新により明確にし、信頼回復を目指す。

 関電は第三者委員会の委員長に元検事総長の但木敬一氏が就くと発表した。

 金品を受け取っていたのは原子力部門の幹部らが中心だった。後任の社長は、企画部門が長い森本孝副社長(64)や彌園(みその)豊一副社長(62)らを軸に今後調整するとみられる。

 関電の金品受領問題をめぐっては、経済産業省が電気事業法に基づき類似事案の有無について報告を要請。大阪の松井一郎市長も株主代表訴訟の検討を表明するなど、関電の企業体質を問う声が相次いでいた。

 八木氏は原子力事業本部長などを経て2010年に社長に就任、16年から会長を務めていた。岩根氏は、企画室長などを経て八木氏の後任として16年に社長に就いた。八木氏は859万円相当、岩根氏も150万円相当の金品を受け取っていた。

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