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サンモトヤマ/アキュートリリー 海外ブランド直接参入で優位性失う

 ▼サンモトヤマ サンモトヤマは10月1日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 同社は、1955年に茂登山長市郎氏が創業した老舗のインポートセレクトショップ。かつては「GUCCI」との独占販売権を持ち、「HERMES」とはフランチャイズ契約を結ぶなど、セレクトショップの草分け的存在だった。銀座、大阪、軽井沢に店舗を構えるほか、自社のオンラインストアでも販売を手掛け、アパレルや宝飾品からインテリア雑貨、家具まで取りそろえていた。ピーク時の89年7月期は売上高約96億7000万円を上げていた。

 だが、その後は消費の低迷や嗜好(しこう)の多様化で業績は低迷。2007年8月に創業者の息子が代表取締役に就任。17年12月には創業者が亡くなった。

 19年3月に複数企業の代表を務める小林道明氏との業務資本提携の締結を発表していたが、締結を解消。9月にセール開催を中止し、臨時休業をホームページで公表するなど動向が注目されていた。

 ▼アキュートリリー アキュートリリーは10月1日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 通称「白鳥エステ」で知られるエステサロンの経営会社。経営する白鳥エステは「低価格で質の高いサービス」「プランの押し売りをしない」などの営業姿勢が評価され、若い女性を中心に支持を獲得。ピーク時には池袋や代々木など都心に加え、大阪や名古屋にも出店し、計12店を運営していた。

 しかし、安い価格設定の半面、人件費の負担が重く採算割れが続いていた。2018年秋以降、機材リースをめぐりリース会社と支払いトラブルを起こしていたことが発覚。19年に入り、給与の遅配も表面化した。

 その後は不採算店の見直しを理由に高田馬場や横浜桜木町など、半数に当たる6店舗を閉鎖。従業員の退職も相次ぐなど、実質的に事業停止状態に陥っていた。

【会社概要】サンモトヤマ

 ▽本社=東京都中央区

 ▽設立=1955年2月

 ▽資本金=4800万円

 ▽負債額=9億7150万円

【会社概要】アキュートリリー

 ▽本社=東京都渋谷区

 ▽設立=2014年6月

 ▽資本金=100万円

 ▽負債額=約1億5000万円

 〈チェックポイント〉

 サンモトヤマは取り扱う海外ブランドが日本市場へ直接参入し、優位性を失うなか、カリスマ的な手腕で知られた創業者の逝去も重なった。最近では資金不足がささやかれ、身売り先を探していた。日本のファッションシーンをリードした先駆者ですら、老舗の看板だけで経営が維持できる時代ではない。

 アキュートリリーのエステサロンは低価格で良質という口コミが評判で人気を博したが、従業員の給与が高く逆ざや経営に陥っていた。末期には資金繰り悪化による給与未払いが続き、ネット上でも話題となった。経営のバランスを欠き、多くの従業員を巻き込んでしまった経営者の責任は重い。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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