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ベア要求額の提示見送りへ トヨタ労組、20年春闘も

 トヨタ自動車労働組合(約6万9000人)は2020年春闘に向け、19日に愛知県豊田市で定期大会を開いた。19年春闘に続き、ベースアップ(ベア)の要求額を示さずに、賃上げ総額で要求する方針を決定した。各職場の意見を反映し、来年初めまでに要求内容を確定させる。

 経営側は18年春闘で、ベアの額を示さず賃上げ総額のみを回答する異例の対応を取った。中小を含め他企業はトヨタを上限にベアを決めるケースが多く、トヨタがベアを明示すると大手と中小の格差が縮まりづらいとの考えからだ。労組も19年春闘の要求でベア分を提示しなかった。

 19年春闘で経営側は、経営環境に対する危機感が薄いとして、恒例だった年間一時金の一括回答を見送り、夏分のみを提示。その後組合は職場の業務改善を推進。今月9日の冬分の労使交渉で満額回答を勝ち取った。西野勝義委員長は定期大会で「組合員一人一人が意識を変えて行動に移せるかどうかが問われている」と強調。20年春闘では一時金の一括要求を継続する方針も確認した。

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