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リニア問題、膠着打破へ 国交次官が静岡・川勝知事と会談

 リニア中央新幹線工事により大井川の流量が減少するとして静岡県などが本格着工に同意していない問題で、国土交通省の藤田耕三事務次官が24日、静岡県庁で同県の川勝平太知事と会談した。このトップ会談により、国と県とJR東海とで新たな3者合意を締結した上で、国が“行司役”となって論点整理や議論の調整を行い、膠着(こうちゃく)状態を前に進めていくことでまとまった。

 会談は約1時間、非公開で行われ、同省鉄道局の水嶋智局長や江口秀二技術審議官、同県の難波喬司副知事らが同席した。

 終了後に取材に応じた難波副知事によると、リニアの着工と水資源や自然環境の保全とを両立させる必要があるとの共通認識のもとで、国が協議の進行役になったり、3者による新たな会議を設けることも提案されたという。

 11日に国交省の水嶋局長、JR東海の宇野護副社長と同省で3者会談を行った難波副知事は、新たな3者合意が今月中にも締結される見込みだと明かしていた。国と県、同社は8月に「国は専門部会の検討を見守りつつ、状況に応じて検討の促進などに努める」とする3者合意を交わしている。

 県とJRとの協議が進まないため、リニア新幹線工事は静岡工区のみ着工できておらず、令和9年の開業予定の遅れが心配されている。

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