リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

長谷工コーポレーション・辻範明社長「上がった給料は全て株の購入に」 (1/2ページ)

 長谷工コーポレーション・辻範明社長 2-2

 倒産の危機に取締役、オーナーの気概で再生

 --社長に就任した2014年の7月に再生を完了した。道のりは長かった

 「(倒産の危機に陥っていた)1999年に取締役になった。以来、必死の思いで再生に取り組み、5年ほど前にようやく普通の会社に戻った。銀行管理状態の当時、給料も徹底的に下げられた。株価は一時13円まで下落した。小さな仕事の積み重ねだけでは再生はおぼつかない。大きな土地を押さえることが肝心だが、200億円、300億円の土地を手付けを打って契約しても残金決済前にデベロッパーにスイッチして残金を払えるのか心配で胃が痛く、しんどかったことを思い出す」

 --当時の気持ちは

 「サラリーマンの意識で仕事をしてきたが、取締役になってから『自分の会社』の意識を持つようになり、自分が頑張らないと会社が潰れると必死に働いた。営業担当役員が自社株をあまり持っていないと、取引先などから『会社は大丈夫なの』と思われかねないので、役員で一番多く持とうと上がった給料は全て株の購入に充てた」

 「株価が低迷していたとき自社株を売った社員もいたが、自分の会社だから、自分がオーナーになって立て直すという気概だった。今は再生して株価も上昇したが、会社が潰れていたら自分も破産だった。運と縁に恵まれた」

 --2017年2月に創業80周年を迎えた

 「記念プロジェクトとして東京都多摩市に長谷工テクニカルセンターを新設、長谷工マンションミュージアムを併設した。18年3月に竣工した長谷工テクニカルセンターは研究・技術開発と研修の機能を集約した複合施設だ。マンションに特化した技術研究所では、建物の安全性を確認するための実験や快適な住環境をつくるための研究・技術開発に取り組んでいる。視察に訪れたデベロッパーからは、室内ドアを何万回も開閉する耐久試験や寒暖差で建具のゆがみを確認する試験などを見て『クレームが少ない理由が分かった』と改めて信頼を高めた」

 「マンションミュージアムは18年10月に完成。世界や日本の集合住宅の歴史や企画・設計段階から建物が完成するまでの過程が一気通貫で見ることができるほか、間取りプランの変化、未来の住まいなどを網羅。施工現場のVR(仮想現実)体験もできるので、飽きずに約90分たっぷり楽しめると好評だ。今年1月から予約制で見学ができるようになり、マンション居住者や管理組合役員、小中学生などが訪れている」

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