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アセントが完全自動運転技術開発に挑む 24カ国の“頭脳”が競争力の源泉

 運転手の要らない「完全自動運転」技術の開発に挑む東京・恵比寿の人工知能(AI)開発スタートアップ企業、アセントロボティクス。世界的な開発競争の先頭グループを走る一社と目され、自動車業界などから熱い視線を浴びている。

 約90人のうち8割が外国籍。24カ国からトップレベルのAI研究者、技術者が集結する。米シリコンバレーは世界各国の頭脳が集まることが競争力の源泉になっているが、アセントは日本で同じことを実践する。

 日本は課題先進国

 シリコンバレーで長年コンサルタントをしていた石崎雅之最高経営責任者(CEO)が2016年に創業。「そもそも日本人だけでという前提はなかった」。世界から最高の人材をと進めた結果、非常に多様性に富んだ組織になったという。

 日本で起業したのは、高齢化や人口減少といった課題先進国の日本こそ、自動運転や高度なロボットが必要と考えたからだ。自動車などの産業が最も盛んな国であり、AIを活用したい大企業との協業にも有利だ。「グローバルな人材と知見を提供することで、日本の製造業を、より強くしたい」と思いを語った。

 女性エンジニア活躍

 女性エンジニアの活躍も目立つ。「東京の街を3Dモデルでつくっています」。オーストラリア人のサブリナ・メッシナさんは仕事の内容をそう説明した。

 アセントの特徴は効率的な開発手法にある。自動運転を実現するには通常、膨大な数の車を使って実際の走行データを集める必要がある。しかし、アセントはコンピューターの中に3Dで「仮想の街」をつくり、そこをAIのバーチャルな“運転手”が走り回って学習をするという手法を導入している。サブリナさんは、その仮想の街を数人のチームでつくる。

 タイ人のナッタワン・チャロエングンワニッチさんは東大大学院を修了したが、日本企業は高い日本語能力が必要で入るのが難しかったという。「ここは英語で仕事ができる。面接時のスタッフの印象も大変良かった」

 人間の脳の研究者も合流しており、知見がAI開発に生かされる。河野慎哉最高執行責任者(COO)は「イノベーション(技術革新)は多様性から生まれる。多様な要素のいろんな組み合わせでバリエーションが出て、その中からベストを選べる」と解説した。

 自動運転の開発スケジュールについて石崎CEOは「マイルストーン(節目)は来年の東京五輪のタイミング。何らかの成果を見せたい」と目標を示した。大きな注目が集まりそうだ。

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