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三菱ジェット100機受注解消 米社 座席数制限で運航不可に

 三菱重工業子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)は31日、開発中のジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」について、地域航空会社を傘下に持つ米トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)との受注契約を解消したと発表した。TSHからは、オプション50機を含む最大100機を受注していた。顧客の経営悪化以外の理由で受注がキャンセルされるのは初めて。

 契約解消は、納入予定だった90席級「M90」が、パイロットの組合と航空会社の協定による座席数の制限に引っかかり、米国の地域路線で運航できないため。契約当時はM90が制限対象から外れ、運航が可能になると見込まれていた。

 三菱航空機は、M90と並行して制限対象ではない70席級の「M100」を開発中。今後はM100を北米向けの主力とする方針で、TSHとも売却協議を行っているという。

 TSHは三菱航空機にとって初の海外顧客だった。スペースジェットはオプションなどを含め計407機を受注していたが、大幅に減少することになる。

 スペースジェットをめぐっては、開発遅れで初号機納入が目標の来年半ばに間に合わず、6度目の延期となる可能性が指摘されている。三菱重工の泉沢清次社長は31日の決算会見で「試験機の製作が遅れているのは事実。その中でいろいろな見直しをしている」と話したものの、正式な延期は表明しなかった。

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