米MITと共同研究
積水ハウスは2020年に創立60周年を迎えるのを踏まえ、「人生100年時代」を見据えた新たな住まいのあり方を提案する。その第1弾として「健康」を切り口に、米マサチューセッツ工科大学(MIT、マサチューセッツ州)と在宅での脳卒中や心筋梗塞といった緊急疾患への早期対応や住まい手の健康保持、病気予防を目指す共同研究に乗り出す。
学びの場も提供
米国で10月7日にMITの医工学研究所(IMES)と発表したプロジェクト「The SEKISUI HOUSE at MIT」を通じ、微弱な環境信号を捉える空間埋め込み型センサーなどを使った在宅健康モニタリングと早期発見システムを確立し、20年中のサービス提供を目指す。
同社は住まいの新しいあり方として「プラットフォームハウス」構想を掲げ、IoT(モノのインターネット)で得る住環境やライフスタイルのデータを駆使し、住まい手に人生100年時代に向けた(1)「健康」(2)家族・友人らとの「つながり」(3)体験・経験、スキルなどの「学び」-の場を提供する。米ラスベガスで今年1月開催された世界最大の家電見本市「CES」で構想を公表し、関係方面から反響を得た。
MITとの共同研究はこの構想の第1フェーズとなる健康領域への展開とし、IMES施設内に今後、常設研究所を設ける。積水ハウスの仲井嘉浩社長は18日に都内で開いたメディア向け説明会で、今回のプロジェクトについて「センサー・生体工学などの専門家や臨床医、研究者、さらに産業界が参加するプラットフォームを形成できる核ができた。短期でなく複数年の共同研究に取り組む」と期待を寄せた。
20年に予定するサービスは、在宅での緊急疾患への対応として居住者の異常を感知した場合、同社が設ける緊急センターが音声で確認し、反応がなければ救急車の出動を要請する仕組みだ。
高齢化の課題解決へ
健康領域での次の展開としては、高血圧や糖尿業、未呼吸症候群など年齢を重ねるに連れリスクが高まる疾患の検出のほか、睡眠や食事などのデータ収集による健康予防を想定している。仲井社長は「技術進歩に応じて順次、プラットフォームハウスにインストールし、継続的な進化につなげたい」という。
同社は世界最速で高齢化が進む日本で高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる住まいをアシストするのが住宅メーカーの使命と位置付け、このプロジェクトが今後高齢化の進む世界的課題の解決にもつながるとみる。
説明会でMITのブライアン・アンソニー教授は、実際の住まいで91歳、75歳の夫婦を対象に実証実験に着手していることを紹介し、「この共同研究は新しい形のインパクトを世界に与える。人間の健康を大きく改善できると確信している」と自信をみせた。