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ソフトバンクG赤字 孫氏の投資戦略に誤算、資金集めに支障も

 ソフトバンクグループ(SBG)の投資戦略に逆風が強まっている。シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーなど出資先の企業価値が下落し、令和元年9月中間連結決算で約5300億円もの評価損を計上した。巨額マネーで急成長企業を取り込む投資会社としてのイメージが揺らげば、今後の資金集めにも支障が出る懸念がある。(万福博之)

 「『ソフトバンクはもう倒産するのではないか』という報道があった。市場がそのように見ているなら、ある意味では正しいと思う」。6日の会見で孫正義会長兼社長はこう述べた。

 最大の火種となったのが、急成長を遂げたウィーだ。9月に計画した新規株式公開(IPO)が創業者のガバナンス(企業統治)問題などで頓挫すると資金繰りが一気に悪化。SBGが総額1兆円の支援策を実施せざるを得なくなり、孫氏は「投資の判断がまずかったことを大いに反省している」と繰り返した。

 ウィーの企業価値は一時470億ドル(約5兆1千億円)とも見込まれていたが、足元では78億ドル程度まで引き下がり、巨額の評価損を計上。7~9月期はほかにも米ライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズの株価が3割近く下落するなど、投資先の企業価値の目減りが相次いだ。

 SBGは今や、運用額10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を事業主体とする投資会社だ。投資先の含み益の拡大を牽引役としてこれまで好業績を上げてきたが、一旦成長に逆回転がかかると損失が膨らむリスクが大きい。

 SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは「投資案件がすべて成功するとは誰も思っていない」と冷静な受け止めを口にする。だが、有望とみられていた投資案件が一転して苦境に陥ったことで、SBGの投資手法や目利きが疑われれば、今後の投資戦略の足かせとなりかねない。

 もっとも、こうした懸念に対し、孫氏は「ビジョン、戦略に変更なし。このまま前に進む方針だ」と強調した。SVFでは人工知能(AI)関連の世界のユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の未上場企業)90社に投資し、累計で約1兆2千億円の投資成果を上げており「反省し過ぎて萎縮するほどではない」と語る。

 今後は投資先の財務を独立採算とする指針を改めて明確にし、投資事業での再成長を狙う。だが、孫氏の手腕が問われる局面が続きそうだ。

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