現場の風

ソニー “乗れるスマホ”新サービス生み出す

 ソニーAIロボティクスビジネスグループ商品企画部担当部長・江里口真朗さんに聞く

 --ヤマハ発動機と開発した自動運転車「ソーシャブルカートSC-1」を“乗れるスマホ”と呼ぶ意味は

 「携帯電話やスマートフォンの開発に長く関わり、メガピクセル(100万画素)カメラの世界初搭載をはじめ、テレビやお財布など新機能をどんどん取り込んできた。今や機能だけでなく映し出すコンテンツでも楽しまれている。ここに『移動』も融合すればまったく新たなサービスが生まれるのではないかとの発想で開発した」

 --どんな“スマホ感”があるのか

 「窓にはガラスではなく『ブラビア』の4Kディスプレーをはめている。周囲に4枚、フロントガラスの位置に内向きに1枚。乗客は正面の景色を肉眼ではなく、ディスプレーに映したカメラ映像で見る形だ。カメラはデジタル一眼レフ『αシリーズ』でも使用している超高感度センサー。人間の視力を超える能力で、夜中でも明るく、肉眼よりはっきり見える。その超高精細画像に、リアルなコンピューターグラフィックス(CG)の動物、キャラクター、文字など超現実のコンテンツを重ねられる。コンテンツはクラウドなどからも配信できる」

 --どんなビジネスモデルになるのか

 「高額な車両を売るのではなく、コンテンツとサービスを提供する。例えば、アミューズメント施設や観光施設で、外国人旅行者向けに名所解説をリアルタイムで多言語表示したり、冬に満開の花の映像を重ねたりできる。第1弾のサービスを11月1日から、沖縄市の植物園と沖縄県名護市のリゾート施設で開始した」

 --運転席がもともとない構造だ

 「まずは許可の問題もあり、私有地内を地図データと電磁誘導線の組み合わせで走るが、遠隔運転も可能。映像が超高精度なので遠くまでくっきり見え、試験では高速通信と合わせてその場にいるかのように運転できた」

【プロフィル】江里口真朗

 えりぐち・まさお 中大経済卒。ケンウッドでの携帯電話の商品企画を経て1999年ソニー入社。ソニーエリクソンなどで勤務し、XPERIAブランドを手がける。2017年から現職。東京都出身。

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