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ビジネスジェットの市場“視界良好” 快適性の向上が原動力に

 ビジネスジェットの納入数が増加している。航空・宇宙関連機器の米ハネウェル・インターナショナルはビジネスジェットの納入数を2019年が前年比9%増の約690機、続く20年が約740機に増加すると予想。航続距離や飛行速度が伸びたほか、快適性の向上といった技術革新が好調の原動力となっている。

 新型機投入ラッシュ

 米ガルフストリームや加ボンバルディア、米セスナといったビジネスジェット各社の新型機は、航続距離や燃費の改善だけでなく、天候を予測し快適な飛行を実現するための機器を搭載。さらに、機内も広く、静かで落ち着ける空間を生み出すといったさまざまな改良が購買意欲の向上につながっている。

 ハネウェルの航空宇宙部門で市場分析担当シニアマネジャーを務めるゲタン・ハンドフィールド氏は「新型機の投入ラッシュ時は必ずビジネスジェット業界が盛り上がる」と話す。

 ボンバルディアは新型機に大きな期待をかけている。昨年12月に納入を開始した同社最大の新型ビジネスジェット「グローバル7500」に加え、旧型機に新型エンジンを搭載し、コックピット内に最新の電子機器を装備した改良モデル「同5500」と「同6500」も近く納入が始まる。

 ガルフストリームも負けていない。10月末に米ラスベガスで開催されたイベントで新型機「G700」を披露した。既にカタール航空から10機受注を獲得するなど上々の滑り出しを切った。今後、さらに売り込みをかける考えだ。

 新型機の投入は大手だけではない。スイスのピラタス・エアクラフトは昨年、同社初となるビジネスジェット機の納入を開始した。セスナも10月から同社として最大となるビジネスジェット機「ロンジチュード」の納入を開始した。

 200億ドル規模のビジネスジェット業界は、金融危機後に大きな打撃を受けた。多くの企業がコスト削減などのリストラに追われ、ビジネスジェットの買い換えを手控えたためだ。ここにきて市場は明るさを取り戻しているものの、金融危機前のピーク(約1300機)水準には程遠い。

 中古不足も“追い風”

 中古ビジネスジェットが不足していることも新型機市場の“追い風”となっている。新型機市場は長らく不振が続いたため、中古機市場では状態の良い機材が不足しているためだ。航空機材仲介会社の英ジェット・ビジネスの創業者、スティーブ・バルサーノ氏は「中古機市場での機材不足が新型機市場の好調を支えている」と見ている。

 旺盛な需要を背景に沸き返るビジネスジェット市場だが、懸念もある。富の象徴とも言えるビジネスジェットの売れ行きは景気に大きく左右される。米中貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱などで世界経済の先行きは暗雲が垂れ込めている。欧米の航空当局の調査によると、ビジネスジェット所有者の利用頻度は減少傾向にあるという。

 米テキサス州の航空コンサルタント、ローランド・ビンセント氏は「世界経済が少しでも減速すれば、受注はたちまち落ち込む」と警告した。(ブルームバーグ Thomas Black)

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