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アップルなど採用“グリーン・アルミ”が急拡大 各社プレミア価格で取引要望 (1/2ページ)

 地球温暖化対策の取り組みが本格化する中、二酸化炭素(CO2)を排出しない電力で製造する“グリーン・アルミニウム”の需要が急拡大している。米アップルをはじめとするアルミの大口需要家が従来品からの切り替えを相次いで決める中、世界のアルミ各社は、グリーン・アルミを付加価値の高い製品として、従来品とは別枠で取引するよう商品取引所などに対する働きかけを始める。

 水力発電で製錬

 自動車や航空機、飲料用の缶に使われるアルミは鋼鉄よりも軽量なため、移動や運搬の際の燃料効率が高く、リサイクルも容易にできる点で、環境に優しいとされている。この一方で製造にかかる電力が莫大(ばくだい)で、製造時に最もCO2を多く排出する金属でもある。現在ほとんどのアルミ製造は石炭発電で行われており、世界全体でのアルミ製造時のCO2排出量は総排出量の4%を占める。

 しかし、全てのアルミが石炭発電で製造されているわけではない。ロシアのアルミ最大手ルサールやノルウェーのノルスク・ハイドロ、英豪資源開発大手リオ・ティントグループなどは水力発電で電力の大部分を賄い、環境に対する悪影響を劇的に減らしている。

 これらのメーカーは、水力発電で製錬したグリーン・アルミの従来品に対する優位性をアピールし、売り込みをかけている。リオ・ティントはアップルや、食品世界最大手ネスレの子会社でコーヒーマシン「ネスプレッソ」を製造している子会社ネスプレッソから供給契約を勝ち取った。

 こうした中、商品取引のトレーダーはアルミ業界を二分する流れにいち早く対応を始めた。商品取引・物流会社トラフィグラ・グループは既にグリーン・アルミを専門に扱う部署を設置した。

 金属取引を行う英コンコード・リソーシズのマーク・ハンセン最高経営責任者(CEO)は「上場企業が持続可能なサプライチェーン(供給網)構築を活発に進める中で、石炭を燃料とする中国のメーカーが避けられ、世界が東西に分かれて競り合うことになる。アルミ製錬の電力が注目されているが、5年前にはほとんど話題に上らなかった」と語り、グリーン・アルミの取引に期待をかける。

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