金融

地銀再生、期待と警戒交錯 SBI「第4のメガバンク構想」に殺到

 地方銀行を束ねる「第4のメガバンク構想」を推進するSBIホールディングスが、提携第2弾として福島銀行への出資を決めた。政府は地銀再編の包囲網を敷き、単独での存続が困難な地銀は雪崩を打ってSBIの下に駆け込む。地銀再生の受け皿として期待が高まる一方、傘下入りした後のリストラを警戒する声も上がっている。

 独立性維持が魅力

 「次から次へと『出資してくれ』と地域金融機関から言われ、資産査定に追われている。最低でも10行は資本関係を結ぶことになる」。SBIの北尾吉孝社長は先月の決算説明会で、支援依頼が殺到している状況を披露し、メガバンク構想の具体化に自信を示した。

 地銀のこうした動きは、超低金利と人口減少に苦しむ中、合併を含めた経営改善策を求める政府の「圧力」が強まっていることが背景にある。政府は来年の通常国会に、地域の貸し出しシェアが高まる合併や経営統合を10年間限定で認める特例法案を提出する。他行への出資によって財務の健全性が損なわれることのないよう配慮措置も導入する計画だ。

 この秋、青森銀行とみちのく銀行、福井銀行と福邦銀行がそれぞれ包括的な業務提携を締結すると発表した。金融庁は統合も視野に入れるが、いずれのケースも当事者たちは資本提携への慎重姿勢を崩していない。

 ある金融関係者は「青森銀、福井銀とも地元トップ行とはいえ(資本面まで)手を差し伸べる余裕がない。逆に、みちのく銀と福邦銀はのみ込まれることへの拒否反応が強い」と分析する。

 これに対して、一定の独立性を維持できるSBIとの連携は多くの地銀にとって「渡りに船」と映る。

 リストラ必至の声

 SBIの構想は明快だ。共同店舗の運営や金融商品の提供といった業務面の支援に加え、システム運営や現金自動預払機(ATM)の共通化で合理化を後押しする。その上で、ITを活用したサービスのネットワークを構築して全国展開する将来像を描いている。

 SBIが出資を決めた島根銀行と福島銀は財務基盤が弱く、生き残り策が注目されていただけに、金融庁もSBIの手腕に期待を寄せる。

 北尾氏は「(地銀を)救済するつもりは毛頭ない」と述べ、経済合理性を追求する考えを強調。これまでベンチャー企業の新規株式公開(IPO)などで利益を獲得してきたように、出資に見合ったリターンを求める姿勢は一貫している。

 「銀行は『装置産業』だ。最終的には過半数の株式を握り、人件費やシステム費など膨大なコストにメスを入れる」。ある大手銀行の中堅幹部は、SBIの構想でも、先々の大規模なリストラは不可避だと予測する。

 SBIは地銀再生の光明となるのか、いずれリストラに活路を求めざるを得ないのか。その成否は地域経済の行方をも左右することになる。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus