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ユニゾ争奪戦、見えぬ着地点 前例ないTOB拒否に批判

 ホテル運営のユニゾホールディングスをめぐる株式公開買い付け(TOB)が混迷を深めている。米投資ファンドを含めて各方面から提案が相次いだが、ユニゾ経営陣は「従業員の雇用を確保する仕組みがない」として応じていない。前例のない条件を盾に買収を拒む姿勢に対し、大株主などから批判が上がっている。

 最初は旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が1株当たり3100円の買い付け価格で7月に始めたTOBだった。ユニゾは反対し、ソフトバンクグループ傘下の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに助けを求めた。4000円でTOBを実施してもらい、HISを撤退に追い込んだ。

 その後、事態は異例の展開をたどる。ユニゾは9月、フォートレスから解体されるような提案を受けたとしてTOBへの賛同意見を撤回して留保に転換。期限は11月15日だが、現状では不調に終わる公算が大きい。

 世界最大手の米投資ファンド、ブラックストーンも5000円でTOBを行う用意があると公表し、ユニゾと協議中。18日までに方針を示す予定で「あらゆる選択肢を検討する」と敵対的TOBも辞さない構えだ。

 HISによるTOBの前に2000円前後だったユニゾの株価は5000円前後まで上昇した。

 背景には、ユニゾが国内外に持つホテルや賃貸オフィスなどの不動産の含み益がある。新たな買収者が現れ、株価がさらに上がるとの思惑から買いが集まった。

 一方、ユニゾの経営陣には厳しい目が向けられる。大株主の米投資ファンド、エリオットグループはユニゾの姿勢を「少数株主の利益を軽視している」と非難した。

 ユニゾはTOBに応じる条件として、買収者がユニゾ株を手放す際に売却先を選ぶ権利を従業員持ち株管理会社へ与えるよう要求。TOBに詳しい田中亘東大教授は過去に聞いたことがないと指摘し「応じるとユニゾをコントロールできなくなる。無理な条件だ」と話した。

 ユニゾがTOBを拒み続ければ、エリオットなどの大株主が経営陣の退任を求め、臨時株主総会の招集を請求する可能性もある。争奪戦の着地点は見えない。

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