主張

ヤフーとLINE 公正な競争を保つ再編に

 インターネット大手のヤフーと通信アプリ大手のLINEが、経営統合交渉中であることを明らかにした。統合が実現すれば、電子商取引や金融などで幅広いネットサービスを提供する巨大なプラットフォーマーが誕生する。

 両社を合わせた利用者は日本国内で1億人を超えるが、格安携帯電話やスマートフォン決済、コンテンツ配信など多くのサービスが重複している。経営統合によって効率化を図り、利用者のさらなる増加につなげるのが狙いだ。利用者本位のサービスの提供に努めてほしい。

 懸念も残る。ネットサービスは「現代のインフラ」として広く利用されているだけに安定的な事業運営が不可欠だ。だが、ヤフーを運営するZホールディングス(HD)を実質支配するソフトバンクグループ(SBG)は孫正義会長兼社長が主導し、投資会社としての性格を強めている。

 SBGの収益が変動し、サービスの質が低下するようでは困る。経営統合で基盤を強め、質の高いサービスを保ち続けてほしい。

 交渉では、ZHDの4割超の株式を保有する携帯子会社のソフトバンクと、LINEの過半数株式を持つ韓国ネイバーが新会社を設立し、その傘下にZHDとLINEが入る形で統合を検討しているという。

 ヤフーとLINEはスマホ決済に注力しており、こうした競合するサービスを統合するなどして相乗効果を高めれば、顧客基盤を一気に拡大できるとみている。また、ニュースや動画配信などでも新たなサービスを提供して利用者の増加を図る。

 米アマゾンやグーグルなど「GAFA」と呼ばれるプラットフォーマーは、独自のビジネスモデルで利用者を囲い込み、その個人データを生かして多額の広告収入を稼いでいる。だが、個人データの寡占への懸念は世界的に強まっており、日本でも公正取引委員会などが規制を検討している。

 日本でヤフーは5千万人、LINEは8千万人の利用者を抱えるとされる。経営統合で両社の利用者は合計で1億人を超え、楽天など他の国内IT大手を大きく上回る規模となる。

 そうした膨大な個人データの寡占を許せば、公正な競争が阻害される恐れがある。透明性のある情報の取り扱いは不可欠だ。

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