トップは語る

日本プラッサー 作業者負担減らす保線車両を創出

 日本プラッサー社長 ハインツ・シュプリンガーさんに聞く

 --世界最先端の保線車両を日本をはじめ、世界でも本格展開している

 「環境問題や都市の過密対策などを背景として世界的に鉄道の活用が進んでいる。これに伴い、軌道保守のための保線車両なども注目されるようになってきた。人手による作業が多かった保線だが、近年はデジタル化や自動化に対するニーズも強まっている。日本はこの分野では世界のリーダーといえる。日本ほど鉄道が大切な国はない。鉄道会社からの要望も高度で多岐にわたる。われわれも、そうした日本の鉄道会社に保線車両などを供給することで、多くのノウハウを得てきた面がある」

 --日本の鉄道は、過密運転でありながら定時性や快適性に強いこだわりがある

 「そういう意味では、保線車両にも高い信頼性が求められる。さらに、日本の場合は軌道の周辺にスペースがないことも多く、省スペース型の機器に対するニーズが強い。また、営業運転を続けながら保線作業をするために夜間の作業が中心となることから、音の静かな機器が必要とされている。最近は人手不足の影響で、作業の自動化をより進めたいという要望も多い。これは世界的な傾向になりつつあるが」

 --今後の重点施策、将来展望は

 「作業者の負担を減らすことが可能な機器の投入を進めていく。そのためにもデジタル化を進める。保線分野はデジタル化が進んでいるとは言い難いが、今後デジタル化によってさまざまなデータを蓄積し、保線や保守作業の最適化、効率化、高度化を進めたい。日本の鉄道会社との共同開発なども積極化し、“人にやさしい”保線車両の創出を目指す。こうして磨いた技術や製品を、日本以外の国にも広め、鉄道を利用する環境を世界規模で高めていきたい」

【プロフィル】ハインツ・シュプリンガー

 1991年、オーストリアのプラッサー&トイラー入社。93年、日本プラッサー出向。2009年から現職。オーストリア・ウェルズ市出身。

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