自動車

進むEVの多様化、鍵は商品力 開発競争が加速で市場の活性化なるか

 欧州や中国などでの環境規制強化を背景に、EVの多様化が一段と進んできた。日本での事前予約を開始したタイカンについて、ポルシェは「真のスポーツカーだ」と強調しており、エンジン車で高く評価されてきた走行性能をEVでも前面に出す。数ある車の中から、消費者がEVを選ぶ動機づけはまだ弱いが、タイカンのように際立った特徴を持つ商品が増えれば、市場の活性化につながる可能性がある。

 「かつて馬車が車に、電話がスマートフォンに置き換わったような革命的なパラダイムシフトが自動車でも起きる」。ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長は20日、東京都内で開いたタイカンの発表会でEVの将来をこう見通した。

 実際、今月閉幕した東京モーターショーでも、ホンダが都市型EV「ホンダe」、マツダは同社初のEVでスポーツ用多目的車(SUV)の「MX-30」を出展。トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」も、22日から中国で開催される広州モーターショーで、市販モデルとしては初めてのEVを公開する予定だ。これまでEVに及び腰だったメーカーも、消費者に受け入れられるEVの開発に本腰を入れている。

 ただ、足元ではEVはまだニッチな商品にすぎない。充電インフラの設置は進んできたが、消費者の“電欠”への懸念はまだ強く、日本自動車販売協会連合会によると、先月の国内乗用車販売台数に占めるEVの比率は0.6%だった。自動車メーカーにとっても、搭載する電池のコストが高いEVは、「売っても、もうからない商品」(アナリスト)になっているのも事実だ。

 こうした中で、ポルシェのような高級ブランドなら、EVの欠点を克服しやすい。ブランド力が付加価値となり、高価格で売ることができるため、コストを吸収できる余地が生まれるからだ。

 先駆者である日産自動車は、EVならではの乗り味を追求し、四輪それぞれの動きを緻密に制御する四輪駆動EVの開発を進めている。環境規制の強化という追い風の中、いかにして消費者の心をつかむか。各社の商品開発競争が加速してきた。(高橋寛次)

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