金融

社債市場、思惑一致で拡大 企業の資金調達意欲と投資家の運用ニーズ (2/2ページ)

 「ハイイールド債」と呼ばれる格付けの低い社債も出てきた。日本企業として初めてハイイールド債を出したのは、消費者金融大手のアイフル。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資基準を緩和したことがきっかけで、他の投資家の需要も見込めるようになり、発行にこぎ着けた。

 日銀がマイナス金利の深掘りに踏み切れば、社債の発行ペースはさらに加速することが予想される。市場の一部では、“社債バブル”の懸念もささやかれる。

 大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは「日本で社債を発行している企業のほとんどは信用力の高い企業だ」として、バブルには遠いとの立場だ。その上で、大橋氏は「日本企業は資金調達で長らく銀行に頼ってきた。社債や株式を発行し市場を通した資金調達が増えることは、企業に財務戦略の柔軟性をもたらす」として、社債市場の拡大を歓迎する。(米沢文)

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