金融

地銀の不良債権処理が倍増 9月中間 上場77社、減益要因に

 東京証券取引所などに上場する地方銀行77社が、2019年9月中間決算で新たに計上した不良債権処理費用は合計1058億円で、前年同期の2倍に膨れ上がったことが分かった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券がまとめた。融資先の中小企業の経営が悪化したり、倒産したりしたためで、多くの地銀が最終利益を減らす要因となった。中小企業の不振は地域経済の回復の遅れが背景にあり、長引く超低金利とともに地銀の経営体力を奪っている。

 不良債権処理費用には、貸し倒れに備えて積む引当金や、融資回収を諦めて処理する損失などが含まれる。上場地銀は78社あるが、不正融資が発覚して18年9月中間決算に1000億円超の処理費用を計上したスルガ銀行(静岡県沼津市)を除いて集計した。

 処理費用を追加計上したのは約8割に当たる60社で、前年同期に比べ3社増えた。計上額が最も多かったのは、常陽銀行(水戸市)と足利銀行(宇都宮市)を傘下に持つ、めぶきフィナンシャルグループで93億円。60社の計上額の合計は1118億円だった。

 一方、17社は融資先企業の業績改善などに伴って、過去に計上した処理費用の一部を取り崩し、利益に繰り入れた。千葉興業銀行(千葉市)の15億円が最高だった。17社の合計額は60億円で、60社の処理費用の合計額から差し引くと、1058億円になる。

 19年9月中間決算は77社のうち54社が最終利益を減らし、2社は最終損益が赤字に陥った。日銀の超低金利政策の余波で、預金と貸し出しの金利差である「利ざや」が縮小して本業の融資で苦戦したほか、不良債権処理費用も重荷になった。最終利益が増えたのは21社にとどまった。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の笹島勝人シニアアナリストは、地方の景気はじりじりと悪化しており、地銀の不良債権処理費用は今後も増えると予測。「海外で稼ぐメガバンクと違って、地銀の業績は地域経済の実態を映している」と話している。

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