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500万円で落札 お値段ギネス級、あの松葉ガニはどこへいった? (1/2ページ)

 200万円で落札→水族館でのんびり

 日本海の冬の味覚を代表する松葉ガニ(ズワイガニの雄)のシーズンが到来した。なかでも鳥取県の最高級ブランド「五輝星(いつきぼし)」は厳しい基準をクリアした“松葉ガニの王様”。昨年の初競りで200万円で落札され「競りで落札された最も高額なカニ」としてギネス世界記録に認定されると、今年は500万円で競り落とされた。最高額のカニたちはその後、どこへ行ったのか。(坂田弘幸)

 今月7日に鳥取市の鳥取港で開かれたズワイガニの初競り。五輝星の松葉ガニ1匹に500万円の値がつくと、場内がどよめいた。

 鳥取県が平成27年に認定を始めた「五輝星」。認定の基準は、甲羅の幅が13.5センチ以上▽重さ1.2キロ以上▽鮮やかな色合い-など5つ。27年の初競りで最高70万円の値がつくと、翌年は130万円に高騰。29年は鳥取港の初競りでの水揚げがなく、昨年は200万円で落札された。

 「500万円のカニ」は甲羅の幅14.6センチ、重さ1.24キロ。落札したのは、鳥取市の仲買業者「かねまさ・浜下商店」で、今月4日に開店した東京の割烹(かっぽう)料理店「銀座結絆(ゆいな)」に卸した。

 店主の小林和紀さんによると、「仕事でお世話になった人に五輝星のカニでお礼をしたい」との注文が入り、9日の夜に出された。食べたのは経営者の男性2人。松葉ガニのコースは通常3万円だが、この日は別の五輝星のカニと合わせ、800万円のフルコースとして提供した。

 メニューは刺し身や焼きガニ、天ぷら、しゃぶしゃぶ、雑炊、炊き込みご飯など。小林さんは「身詰まりが良く、身に弾力や張りがあった」とし「料理人冥利(みょうり)に尽きる。人生で一度しかない経験ができた」と振り返る。

 客2人も、「ほぐしたときの身の量が、普通のカニの倍だった」と話していたという。

 昨年の初競りで200万円で落札されたカニは鳥取市の水族館「とっとり賀露(かろ)かにっこ館」に生きたまま展示されている。担当者は「世界一からは陥落したが現役では一番高価な五輝星になる」と話す。

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