話題・その他

地価暴騰のカリフォルニア GAFAが数千億円の“尻ぬぐい”に走らされた事情 (3/3ページ)

 すでに、住宅価格の中央値が日本円にして約1億6000万円と、GAFAのエリートサラリーマンですら、なかなか手が出せない値上がりを記録したサンフランシスコでは、今年の4月~6月の2カ月だけで約3万人が他都市に脱出し、ベイエリアでの住宅保有率は7年ぶりの低水準を記録。また、米大手不動産サイト、ジロウによると、サンフランシスコからやや離れたハイテクの街、サンノゼでも、現在の住宅価格の中央値が2012年の2倍の約100万ドル(約1億円)に急騰しており、GAFAの取り組みにはあきらめや手遅れ感が漂います。

 11月6日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「巨大ハイテク企業が拠出する45億ドル(約4900億円)で、カリフォルニア州の住宅危機がなぜ終わりを迎えないのか?」という長尺の分析記事で、アップルとフェイスブック、そしてグーグルの今回の取り組みを淡々と批判。

 「数十億ドルでは、懲罰的に高額なカリフォルニア州の住宅市場ではあまり効果が出ないだろう。たとえ、この取り組みを実行したとしても、企業側は発表で、このお金がどこで、どのように、いつ使われるかといった重要な事柄がほとんど明かさなかった」などと指摘。さらに「ベイエリアでは過去8年間で67万6000人の雇用が新たに生み出された」などと説明し、ニューヨークのマンハッタン以上に、新たな雇用が爆発的に増えると予測します。

 そうした状況を受け、マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI=米大手コンサルティング会社)の2016年のリポートを元に広く引用されている数字によると、「カリフォルニア州では2025年までに、今のペースの約3倍の350万戸の住宅を建設する必要があり、そのコストは理論上、1兆6000億ドル(約1700兆円)と異様な額になる」などとして、アップル、フェイスブック、グーグルの3社が拠出する日本円にして計約4900億円では焼け石に水であるといった論調で報じています。

 米グーグルでは、ベイエリア内より、外の地域での労働人口が急激に増加しているといい、米アップルではテキサス州オースティンにオフィスを建設する計画を進めてはいますが、基本、従業員はどんどん増えており、それをカバーできる手頃な価格の住宅供給が可能だとはとても思えません。サンフランシスコやサンノゼの住宅価格はまだまだ暴騰しそうです。(岡田敏一)

 【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家、産経ニュース( https://www.sankei.com )で【芸能考察】【エンタメよもやま話】など連載中。京都市在住。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus