金融

野村HD社長に奥田氏昇格 8年ぶり、海外戦略を強化

 野村ホールディングス(HD)は2日、永井浩二社長兼グループ最高経営責任者(CEO)(60)の後任として奥田健太郎副社長(56)が昇格する人事を発表した。トップ交代は約8年ぶり。永井氏は代表権のない会長に就く。2020年4月1日付。国内の個人営業部門が苦戦する中、法人向けを中心に海外戦略を強化する狙いがある。

 奥田氏はM&A(企業の合併・買収)関連などの業務を手掛ける投資銀行部門が長く、米州地域のトップを務めたこともあり、海外の経験が豊富だ。野村HDは欧米のほか中国での展開も重視しており、海外の事業を安定した収益の柱に育てるのに適任だと判断したとみられる。

 奥田氏は18年4月に傘下の野村証券の森田敏夫社長(58)と並び、野村HDの共同グループ最高執行責任者(COO)に就いていた。永井氏は野村証券が増資インサイダー問題に揺れていた12年8月に野村HDのグループCEOに就任した。19年は東京証券取引所の市場再編に絡む情報漏洩(ろうえい)問題が起こり、6月の株主総会では続投への賛成比率が大幅に低下していた。

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【プロフィル】奥田健太郎氏

 おくだ・けんたろう 慶大卒。1987年野村証券。2018年4月から野村HDの共同グループCOO。19年4月から野村HD副社長を兼務。さいたま市出身。

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