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石炭火力をバイオマス発電に転換 中部電、日本製紙など国内初

 中部電力は4日、日本製紙、三菱商事パワー(東京)と共同で設立し、運転している石炭火力発電所「鈴川エネルギーセンター(静岡県富士市)」で、燃料を微粉石炭から木質ペレットに変更し、バイオマス発電所に切り替えると発表した。二酸化炭素(CO2)排出量が多いとされ、世界的に批判が高まる石炭火力を、再生エネルギーと位置づけられるバイオマスへ転換したのは、国内では初という。

 今回、現在の出力11万2千キロワットの発電設備を一部改良し、燃料を北米などから調達した木質ペレットに切り替えることを決めた。令和4(2022)年4月に稼働する予定だ。燃料の変更によって出力は8万5千キロワットに減るものの、温室効果ガスであるCO2の排出量を年間67万トン削減できる。

 木質ペレットによるバイオマス発電のため、再生可能エネルギーの固定買い取り制度(FIT)適用となり、発電した電力を電力会社に1キロワット時あたり24円と、高い価格で売却できるメリットもある。

 スペイン・マドリードで開かれている第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)では、日本が石炭火力を温存しているとし、地球温暖化対策に後ろ向きとされる国に贈られる不名誉な賞である「化石賞」に選ばれている。そのため低炭素社会のため、今後、国内でも石炭火力のバイオマス転換が進む可能性がある。

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