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滋賀県の通販サイトが苦戦 売り上げ目標の1%未満

 滋賀県が、県内の特産品を販売するインターネット通販サイト「ここ滋賀ショッピングサイト」の売り上げ実績が、初年度の平成30年度(8月28日~31年3月末)はわずか約40万円と、目標の5400万円の1%未満だったことがわかった。今年度も低迷が続いており、県ここ滋賀推進室は「運営事業者と協議し、売り上げ向上策に取り組む」とテコ入れを急ぐ。

 同サイトは県内の特産品をPRするため東京・日本橋に開設しているアンテナショップ「ここ滋賀」で扱っているふなずしや地酒、工芸品など、77事業者が出品する240個(10月末時点)の商品を販売。2640万円の彦根仏壇や453万6千円の「近江牛まるごと一頭」などの高額商品も用意している。

 5400万円の目標に対して売り上げ約40万円だった昨年度に続き、事業者数や商品数は大きく変わらない今年度も10月末時点で目標7600万円に対して約45万円。認知度不足や売れ筋商品が十分そろわなかったことなどが響き、設定目標に遠く及ばない状況が続いている。

 県によると「ここ滋賀」事業の昨年度の経済波及効果は目標の65・8%にとどまる5億7500万円。ショップでの売り上げや情報発信効果は目標を上回るものの、ネット通販や県への観光誘客効果の低迷が足を引っ張っているかたちだ。

 県はこうした状況を受けたテコ入れ策として、検索ヒット率を上げる広告を活用したり、品ぞろえを充実させるために県内事業者へ出品を働きかけたりする。また、甲賀市信楽町地区を舞台に女性陶芸家の奮闘を描くNHKの連続テレビ小説「スカーレット」の関連商品や、お中元・お歳暮セットなど季節商品を効果的に販売していくという。

 県ここ滋賀推進室は「季節を捉えた商品などがそろわず商戦に乗れず大きく苦戦した。商品数や品ぞろえを充実させて売り上げ向上に反転させたい」と話している。サイト運営の委託先である県中小企業団体中央会(大津市)運営のショッピングサイト「滋賀の名品サイト」との連携など、運営手法の見直しも検討する。

 三日月大造知事は「多くの方に滋賀の良さを感じていただけた」と「ここ滋賀」の一定の成果を強調する一方「滋賀への誘客や拠点外の販路拡大など、改善すべき課題は多くあると感じている」と話している。

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