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リニア水問題「工事前から水量常時観測を」 静岡県と有識者委員がJR東海に要望

 リニア中央新幹線工事による大井川の流量減少問題をめぐり、県の担当者と県の専門部会の有識者委員による会合が13日に開かれ、先月の県とJR東海、国の3者による建設予定地の視察結果が報告された。同行した県の田島章次参事が「大井川上流部の水量の少なさを確認し、工事の影響で沢枯れが起きる危険性の高さを実感した。水量を常時観測する必要性を改めて認識した」と現地に足を運んだ印象を述べた。

 難波喬司副知事も「工事開始前から水量などを常時観測しなければ工事による水量の変化を確認できない」と指摘し、「常時観測はJR東海が責任を持って行うべき。JR側にできるだけ早期からの常時観測を求めていく」と今後の方針を示した。

 JR東海は水量計や監視カメラによる常時観測を実施する方向で検討しているものの、観測開始時期は明示していない。

 さらにこの日の会合では、大井川の流量減少問題をめぐる県とJR東海との協議が停滞しており、国土交通省を仲介役とする新しい協議の場の枠組みづくりも進んでいない現状が報告された。

 この点について委員側から「新しい協議の場に、これまでの県の専門部会による専門的な議論が反映されないのでは」と懸念する意見が出され、難波副知事も「国にはこれまでの県の専門部会の議論を踏まえて評価してほしい」と注文を付けた。

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