金融

日本の医療機器ベンチャービジネス後押し 民間主体2号ファンド1次募集完了

 少子高齢化に直面する日本で、医療機器市場に特化した投資ファンドが組成された。金融機関や医療機器メーカーなどが参加し、今後10年間で国内ベンチャービジネス(VB)を育成し、欧米との産業発展の差を縮めたい考えだ。

 新ファンドは医療機器投資に特化したベンチャーキャピタル(VC)のメドベンチャーパートナーズ(千代田区)が設立。100億円規模を目指し11月に1次募集を完了した。富国生命保険、静岡銀行、総合医療機器メーカーの日本ライフライン、ジェイ・エム・エスなどが出資した。日本政策投資銀行も出資を決めた。投資先として手術ロボットを手掛ける国内ベンチャーなどが候補に挙がっている。

 日本の医療機器産業の市場規模は約3兆円だが2015年時点で年間8000億円以上の輸入超過となっており、その後も輸入額が増えている。こうした現状を打破するため政府は13年に産業革新機構(現産業革新投資機構)からメドベンチャーへ60億円を上限に出資し、1号ファンドを組成した。

 脳梗塞の血管内治療機器のバイオメディカルソリューションズなど12件の投資案件のうち4件でエグジット(投資資金の回収)に成功し、残りの案件もおおむね順調に推移している。日本の医療機器産業の発展に欧米のようなベンチャーの育成が課題となっている中、民間出資が主体となる2号ファンドの組成に至った。

 国内の医療機器ベンチャー投資は米国と比べて遅れている。米国では手術支援ロボットの「ダビンチ」を開発したインテュイティブサージカルが、ベンチャー資金で成長した後に上場し、時価総額で650億ドル規模(約7兆円)まで成長した例があるが、日本では成功事例がまだ少ない。

 医療機器専門誌のMPOによると、直近の売り上げ規模で医療機器の世界トップ10位以内にはメドトロニック、ジョンソン・エンド・ジョンソン、GEヘルスケアなど欧米企業がずらりと並び、日本勢トップのオリンパスは19位だ。UBS証券の小池幸弘アナリストによると、大手企業はベンチャーに開発スピードが追い付かないため、買収するケースが多い。(ブルームバーグ Grace Huang)

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