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秘蔵写真を掲載、金運招く? 「たま駅長」カレンダー誕生への“アイデア” (1/2ページ)

 和歌山電鉄(和歌山市)の貴志川線で活躍した三毛猫の「たま駅長」と、その後を継いだネコ駅長たちの愛らしい写真を使ったカレンダーが今年も同電鉄で発売され、人気を呼んでいる。わざわざ遠方から買いにくる人もいるヒット商品だが、約10年前の発売当初は電鉄の経営が厳しく、製作予算も限られていた。そんな中、カレンダーは広報の女性が自前で撮影した写真を利用するアイデアから生まれた。(井上裕貴)

 今年も好評発売

 来年版のカレンダーは10月2日に発売された。卓上用(縦17センチ、横21センチ)で「2020(にゃおにゃお)年版猫社員たちのつぶやきカレンダー」と命名。たまやマネージャー駅長「ニタマ」、スーパー駅長「よんたま」など5匹のネコの写真計17枚を掲載している。

 うたた寝をしたり、おもちゃのネズミをかじったりする愛くるしい表情が楽しめ、写真は切り取ってポストカードとしても使える。 税込み1600円で、3300部を製作。たまがいた貴志駅の売店や同電鉄のサイトのオンラインショップで販売している。

 伊太祈曽(いだきそ)駅での発売記念セレモニーにはニタマが登場し、記念撮影に応じるなどして愛想をふりまいた。カレンダーは今や電鉄の人気商品で、海外の観光客がお土産に購入していく姿も。

 当初は苦労も

 赤字ローカル路線の話題作りにと、平成19年1月に貴志駅長に就任したたま。以来、三毛猫駅長として親しまれ、観光客招致に貢献。27年に死んでからも人気は続いている。

 “在職時代”には出版社から写真集も出され、半年で1万部以上を売り上げるヒットに。これを見た電鉄の利用客から「たま駅長のカレンダーがあれば」との声も出て、社内でカレンダー製作が企画された。しかし、まだ当時は経営が厳しく、使える予算は限られ、プロのカメラマンを雇うことは難しかった。

 そこで、電鉄を運営する両備グループ(岡山市)の女性広報、山木慶子さん(62)が一計を案じた。山木さんはたま駅長の就任以来、各種イベントや取材対応のため、毎週のように岡山から和歌山に出張で来ていた。そのたびに報道陣などに交じり、自分でも写真を撮っていた。撮りためたたまの写真は1万枚以上になり、「これをカレンダーに利用すれば」と思いついたのだ。

 意外にいい表情

 たま駅長は「普段は無愛想」(山木さん)だったらしいが、撮影時は笑ったような表情や舌を出した愛くるしい仕草など、さまざまな顔をみせた。山木さんの撮影した写真にも、いい表情が多くあった。

 「シャッターを切れば、必ずいい写真が撮れている。これは使える」。山木さんは確信し、カレンダー用にえりすぐりの写真を決めた。編集作業は、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」のデザインを手掛けた実績もあるデザイナーの水戸岡鋭治さんに依頼した。

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