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紆余曲折たどった新国立競技場 描けぬ五輪後の将来像

 2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとして完成した国立競技場の竣工(しゅんこう)式が15日、開かれた。当初のデザイン案が突然、白紙撤回されるなど紆余曲折を経て、新しい国立競技場は完成。ただ、五輪・パラリンピック後の利用の将来像が明確に描けておらず、負のレガシー(遺産)にしないための方策が求められている。

 国立競技場の建て替え構想は平成23年2月、超党派の議員連盟が改修要求を決議したのが始まり。ラグビーワールドカップ(W杯)が日本で開催されることが決定したのがきっかけだった。

 当初は世界的な建築家、ザハ・ハディドさん(故人)の案だった。デザインが奇抜すぎて「アンビルト(実現しない建築)の女王」との異名を持ち、競技場も巨大なアーチを特徴とする「近未来風」のデザインとなった。

 しかし当初1300億円とされた工事費は2520億円へと膨らむ。批判が集中したため27年7月に白紙撤回に追い込まれた。再度公募したところ、建築家の隈研吾(くま・けんご)氏や大成建設などのJV(共同事業体)案へと転換した。

 工事の開始は、当初から1年以上遅れた28年12月。今年のラグビーW杯への利用は実現しなかった。

 さらに、新しい整備計画を慌ててまとめたため、工期短縮と費用圧縮が優先し、五輪・パラ後の利用計画は先送りされている。音楽イベントなどをするにも、騒音を抑える開閉式屋根はなく、可動式の席の設置もできなかった。年間維持費は24億円と見込まれており、その回収の目途が立っていない。

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