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「認知症」関連ビジネス拡大 家族信託や予防食品研究、“備える市場”に広がり (1/2ページ)

 超高齢社会の進展に伴って認知症への関心が高まる中、発症時の備えや予防に注目したビジネスが広がっている。発症時のお金に関する不安を解消できる「家族信託」の普及が進むほか、食品メーカーや損害保険会社は予防に関する商品・サービスに触手を伸ばす。

 判断能力失う前に

 自分の両親が認知症になった場合、「本人の意思確認ができない」として、子供は両親名義の預金口座からの現金の引き出しや、不動産の売却・購入、保険の解約請求などができない。親の介護費用などの経済的負担を「親の資産」で賄おうとしても、資産を利用できない。

 不動産販売・管理の日本財託(東京都新宿区)は、本人の判断能力が失われる前に、家族と不動産・金銭の信託契約を結ぶ手法「家族信託」に着目。約3年前から家族信託のコンサルティング事業を始めた。信託財産である不動産の管理や売却、資産の組み替えを支援する。毎月1回実施するセミナーは延べ参加人数が1000人を超えた。11月末現在、122人が家族信託契約を結んでいる。

 みずほ信託銀行は9月から、認知症になった場合でも自分のお金を円滑に生活費や医療費などに使用できる特約付き金銭信託「認知症サポート信託」の取り扱いを始めた。こうした動きは今後も増えていく可能性がある。

 働き盛りの世代にとって、親の介護は人生設計に大きく影響するが、認知症への備えはあまりされていないのが現状だ。

 朝日生命保険が11月に発表した「40~50代が親に関して心配に思うこと」(複数回答)のアンケートによると、「健康状態」の65.0%と最も多く、次いで「認知症にならないか」が49.2%だった。

 親が認知症になった際の介護費用などの経済的負担について、43.9%が「親の資産で賄う」と答えている。しかし、親が現在住んでいる住まいについて、いざというときの処分や相続などについて、54.7%が「話し合ったことはない」と回答。認知症は不安だが、具体的にどう備えればいいか分からない、という不安が垣間見える。

 日本財託の横手彰太・アセットプランニング課シニアマネージャーは「家族信託を検討するうちに親子の会話が増え、絆が深まったケースもある」と話し、潜在的ニーズの伸びしろに自信を深める。

 予防の観点から認知症問題に取り組む動きも始まっている。

 食品大手の明治と桜美林大などの共同研究グループは11月、軽度認知障害の高齢者において、カマンベールチーズ(白カビ発酵チーズ)の摂取が、認知機能との関連が報告されているBDNF(脳由来神経栄養因子)を上昇させることを確認したと発表した。世界で初めてヒトを対象とした試験で、カマンベールチーズ摂取による認知症予防の可能性を示唆した。

 共同研究グループの金憲経氏(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所)は「認知機能の衰えを感じ始める前の40代、50代くらいの方がカマンベールチーズを摂取することで、将来の不安を軽減できるかもしれない」と指摘する。

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