サービス

Jフロント、3月から定年延長  再雇用社員も正社員待遇

 大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングが来年3月から、現在60歳となっている正社員の定年を65歳まで延長することが分かった。山本良一社長が産経新聞の取材で19日までに明らかにした。既に再雇用している65歳までの従業員についても、給与を正社員のベースに引き上げる。ベテランのやる気を引き出すことで、生産性を高める狙い。

 新制度は事業年度が始まる来年3月から導入する。次期事業年度で定年延長の対象となるのは約80人の見込み。これまで同社は、60歳で定年の正社員について、退職後も嘱託社員として再雇用してきたが、正社員時代よりも給与が大幅に目減りするため「モラルが下がることがないとは言えなかった」(同社)。正社員としての給与テーブルに戻すことで意欲を引き出す。対象者は約240人に上る予定。

 山本氏は「ベテランはベテランの力があるし、信頼されている外商担当もいる。高い給与レベルでしっかり働いてもらう」と語った。

 同社は運営する東京・銀座の商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」や今年9月に本館の新装開店を終えた大丸心斎橋店などで専門店などのテナント誘致を進めるほか、IT活用などで人員配置の効率化を図る。ただ店舗改装などを伴う抜本的な構造改革には一定の時間を要する見込みで、当面はベテラン社員が即戦力として不可欠と判断した。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus