宇宙から届くわずかな空間のゆがみである「重力波」を捉えるため、東京大宇宙線研究所が岐阜県飛騨市に完成させた大型観測施設「かぐら」が、来年1月下旬に観測を始めることが19日、分かった。
かぐらは当初、年内の観測開始を目指していたが、観測精度の維持に向けた機器の調整が長引いて年明けにずれ込んだ。
かぐらは1辺3キロのL字型で、山中に掘られた地下約200メートルのトンネル内に建設された。中央部から2方向に発射したレーザー光が、それぞれ鏡に反射して戻ってくるまでの時間の差を利用して、重力波の検出を目指す。
重力波はアインシュタインが1916年に一般相対性理論で存在を予言。2015年に米国の観測施設「LIGO(ライゴ)」が初めて検出し、研究チームの代表はノーベル物理学賞を受賞した。