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日中韓貿易相会合 各国との貿易関係強化を図る中国 米政権牽制の思惑も

 【北京=三塚聖平】22日の日中韓の貿易相会合では、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉妥結に向けた協力について議論された。中国は、RCEPの早期発効に意欲を示しているほか、今月開催した経済方針を決める重要会議で各国との自由貿易協定を推進する方針を表明するなど、各国・地域との貿易関係強化に向けた動きを積極化させている。米国との貿易協議が今後も続くことを見据え、米以外の国々との関係強化によりトランプ米政権を牽制(けんせい)する思惑も指摘される。

 中国商務省の高峰報道官は19日の記者会見で「関係各方面とともに努力し、RCEPの署名に関する諸作業を加速させる」と強調した。日本は交渉撤退を示唆しているインドのつなぎ留めを優先しているが、中国はインド抜きでも署名を目指す考えを示唆している。

 中国は、12日まで開催した、中国共産党と政府が2020年の経済政策を話し合う中央経済工作会議で、多国間と2国間の自由貿易協定の協議を強化する方針を盛り込んだ。習近平国家主席も11月上旬の演説で、RCEPの早期署名に期待を示したほか、欧州連合(EU)との投資協定や日中韓自由貿易協定(FTA)を進めると強調した。

 中国が貿易協定締結交渉を急ぐ背景には米国との対立がある。米中両政府は貿易協議で「第1段階」の合意に達したと今月13日に発表したが、今後も「第2段階」の協議が待つ。対米協議をにらんで貿易上の親密国を増やすとともに、低迷する米中貿易を補う狙いがあるとみられる。

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