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10代が頭角、アーバンスポーツ 期待の「金」候補

 ほとんどが米国発祥で「アーバンスポーツ」や「アクションスポーツ」と定義される五輪新種目は、日本でも盛んで人気が高い。東京五輪の国内向けチケット販売の1次抽選では、大会組織委員会によると全5競技・種別が「申し込みが著しく集中した競技」だった。

 目新しさに加え、日本が競技力で最前線に立つことも関心を集めている。スケートボードは2019年9月の世界選手権(ブラジル)でストリート男子の堀米雄斗(XFLAG)が準優勝するなど、3種目で4選手がメダルを獲得。スポーツクライミングの複合は同8月の世界選手権で男子の楢崎智亜が「金」、女子の野口啓代(ともにTEAM au)が「銀」に輝いた。BMXフリースタイル・パーク男子は中村輪夢(ウイングアーク1st)がワールドカップ(W杯)種目別優勝を遂げた。

 日本アクションスポーツ連盟の山田基嗣代表理事は「親の背中を見たとか、小さい頃から傾注した世代が頭角を現している」と分析する。進境著しい10~20代前半の選手は1980~90年代に訪れたブームに熱狂した世代を親に持つ。堀米の父は競技経験もある愛好家で、中村の父は専門店を経営。恵まれた環境で“英才教育”を受けた。

 スポーツクライミングも先駆者の影響が大きい。98年に平山ユージが日本人初のW杯総合優勝を遂げたことで知名度が上がり、ジムの数も急増。日本山岳・スポーツクライミング協会によると2017年に476カ所が確認され、10年間で約5倍に膨らんだ。レベルの高い課題(コース)が多く、海外勢も練習を積むため頻繁に訪れる好条件が有力選手を輩出した。

 現在では日本協会副会長の平山氏は、競技の特性が「日本人の体格と合っている」とも言及。大柄な欧州勢に対し、小柄な日本勢は身軽で俊敏な動きが可能だ。山田代表理事も、微妙な重心移動が生命線となるスケートボードなどで、日本勢は「外国人と違って腰高ではない。体形的に向いている」との見解だ。

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