アサヒ飲料 コーポレートコミュニケーション部CSV推進グループ統括課長・正重高志氏に聞く
飲料大手のアサヒ飲料は、水資源の保全活動に力を注いでいる。飲料メーカーにとって、水は製品を生産する上で欠かせない大切な資源だからだ。同社のコーポレートコミュニケーション部CSV推進グループの正重高志統括課長は「水資源の保全は企業の社会的責任」と力を込める。
50年までに環境負荷ゼロ
--アサヒグループは2019年2月、『新環境ビジョン2050』を策定した
「新環境ビジョン2050は50年までに事業活動における環境負荷ゼロ(ニュートラル)を目指すのが柱。グループの独自技術を生かし、社会により多くの環境価値の創出を目指している。工場での水の使用効率を高めて使用量の削減を進めるとともに、森林保全を通じ水の涵養(かんよう)(森が水を育み蓄える能力)を進めている」
--アサヒ飲料はどんな取り組みをしているのか
「力を注いでいるのが、水源地保全活動『森づくり活動』だ。アサヒグループでは水に関わる飲料や食品を製造販売していることから、グループを挙げて水源地の森林を保全する活動に取り組んでおり、当社の取り組みもその一環だ」
--年間の水使用量は
「当社の年間使用水量は、18年の実績で約723万5000立方メートル。この量は約2万4600世帯分の水使用量と同等で、自然の恵みである水を保全するのは、社会に対するわれわれの責務だ」
「森づくり活動は工場周辺で社員による植樹活動などが柱で、17年に北陸工場(富山県下新川郡入善町)でスタートした」
--昨年11月には、岡山工場でも森づくり活動を実施した
「岡山工場(岡山県総社市)の森づくり活動では、工場の水源となる高梁川支流の有漢川上流(高梁市有漢町)で植樹を行った。社員のほか、岡山工場の協力会社の方々が約60人参加した。約1500平方メートルの区画にヤマザクラ、ヤマモミジ、クヌギなど9種類600本の広葉樹の苗木を植樹したほか、森林保全の必要性や効果などについての講演会も行った。岡山工場による森づくり活動は今後も継続する計画で、21年3月までに計4回実施する」