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SaaS型ソフトは需要伸び14.5%増 IDCジャパン、情報セキュリティー市場予測

 IDCジャパンはこのほど国内情報セキュリティー市場の2019年から23年までの予測をまとめた。ソフトウエア製品とアプライアンス製品を合わせたセキュリティー製品の市場は、ソフトウエア製品の市場規模が前年比3.8%増の2638億円、SaaS型セキュリティーソフトウエアの市場規模が前年比14.5%増の325億円、セキュリティーアプライアンス製品が前年比2.6%減の536億円と予測している。

 セキュリティーソフトウエア市場については、18年で成長率の高かった企業向けエンドポイントセキュリティーとメッセージングセキュリティーが反動により成長率が鈍化する一方、家庭向けパソコン(PC)の出荷台数の増加や、クラウドシフトによるクラウドアプリケーションへのアクセス管理やID管理といったクラウド環境に対するセキュリティー製品への需要が高く、18年よりも高い成長率で市場が拡大すると見込んでいる。

 セキュリティーアプライアンス市場は、UTM製品が引き続き市場を牽引(けんいん)しているが、IT環境のクラウドシフトが進むことで、メッセージングセキュリティーやウェブセキュリティーを中心にSaaS型セキュリティーソリューションへニーズが移行しているため、アプライアンス製品への需要は低下すると予測。セキュリティーサービス市場は、IT環境のクラウドシフトが進むことで、クラウド環境へのセキュリティーシステムの構築や運用管理サービスの需要が拡大すると予測している。

 今後については、20年から23年にかけて消費税増税による景気の下振れリスクが高まるものの、20年に開催される東京五輪・パラリンピックによりサイバー攻撃の多発が見込まれることから、サイバー攻撃に対する防御や検知や対処を行うセキュリティー製品への需要が拡大すると予想している。

 また、パブリッククラウド環境に対するセキュリティー対策としてのSaaS型セキュリティーソリューションや、データ保護規制に対しては暗号化やDLP(Data Loss Prevention)などの情報漏洩(ろうえい)対策製品、アイデンティティー/デジタルトラスト製品、脆弱(ぜいじゃく)性管理製品などの内部脅威対策製品への需要も拡大すると分析。こうした背景から、国内セキュリティーソフトウエア市場の18~23年における年間平均成長率は3.4%で、市場規模は18年の2541億円から23年には2997億円に拡大すると予測している。(インプレスウオッチ)

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