2020 成長への展望

富士フイルムHD会長・古森重隆さん(80)

 画像診断など メディカル分野が有望

 --昨年の経済状況をどう見ているか

 「国際的には米中の対立が世界経済の成長に影響しており、特に中国が悪い。中国が悪いと東南アジアも影響を受ける。国内は消費税増税が響いている。これは相当残るのではないか」

 --今年の経済の見通しは

 「米中はどこかで手を打たざるを得ない。和解が進めば心理的な影響も大きいので期待したい。東京五輪・パラリンピックは国内の景気刺激になるが、五輪後に反動が多少来るだろう」

 --中期経営計画の最終年度の振り返りと新中計をどう考えているか

 「現中計は目標達成に向け最後まで努力し、何とか達成できるかできないかというところだ。新中計については、成長戦略の一つがライフサイエンスで、中でもメディカル。日立製作所から画像診断機器事業を買収するが、相乗効果が相当出る。医学の進歩に供することができるし、売り上げも利益も増える」

 --富士ゼロックスについて、昨年11月に米ゼロックスから全保有株を買い取り、完全子会社化した

 「富士ゼロックスの価値を全部取り込めるのでよかった。今まで富士ゼロックスの経営に対しいろいろな制約があったが、そこにタッチできるようになる。人工知能(AI)を取り入れるなど機動的な動きも可能だ。経営トップにわれわれが入って体質強化を進め、最近の営業成績が大変向上したので、これは続ける」

 --デジタルカメラなどイメージング事業の方針は

 「昨年6月発売の1億200万画素のミラーレス一眼『GFX100』は、まだバックオーダーを抱えているほど売れているが、世界に高級なミラーレスを広げることが課題だ。インスタントカメラの『チェキ』も新興国に広げる。さらにスマートフォン内の写真を簡単にプリントできるシステムの市場を掘り起こす」

 --親交のある安倍晋三首相の政権運営の評価は

 「どうにもならなくなっていた日本経済をアベノミクスで回復させた。何をしなければいけないかをきちんと認識して動いている。民主主義と自由貿易の世界のリーダーとして、立派に役割を果たしている」

 --自身の後継者についての考えは

 「変化に対応できる企業はいい企業だといわれる。もっといいのは変化を予想して先回りする企業で、一番いいのは世の中に変化を作り出せる企業だ。今は第3段階で再生医療や医療用ITなどが世界で最先端を行っており、そこを進めたいので、もう少し自分がやることになる」

【プロフィル】古森重隆

 こもり・しげたか 東大経卒。1963年富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)入社。2000年社長に就任し、12年6月から現職。長崎県出身。

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