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マツダ、新世代エンジン搭載SUV発売 社運賭すブランド向上へ70万円アップ (1/3ページ)

 マツダは16日、新世代エンジン「スカイアクティブX」を搭載したスポーツ用多目的車(SUV)「CX-30」を国内で発売した。世界で初めてマツダが実用化した画期的な燃焼技術が使われており、社運を懸けた「新世代商品」の象徴ともいえる。ただ、車両価格は搭載していないモデルと比べて約70万円アップするため、独自性をどこまで伝えられるかが鍵だ。足元の新車販売は苦戦が続いており、ブランド価値向上と拡販を両立できるか、マツダは正念場を迎えている。

 「X」は、ディーゼルエンジンと同じように燃料と空気が混ざった混合気を圧縮して着火する、これまでにないガソリンエンジン。マツダは燃焼状態を監視して点火タイミングなどを緻密に制御する技術を確立し、量産にこぎつけた。中井英二執行役員は「反応が良く、スムーズで上質な走りと燃費性能を両立した」と胸を張る。マツダは昨年12月、新世代商品の第1弾「マツダ3」で初めて、X搭載モデルを投入した。

 CX-30のスカイアクティブX搭載車は329万4500円から。既に販売されている通常のガソリンエンジン搭載車と同じグレードで比べると、68万2千円の差がある。この価格差について、マーケティングを担当する国内営業本部の斉藤圭介主幹は「コストが上がっているだけでなく、これまでマツダが開拓できていなかった顧客層を取り込むためでもある」と打ち明ける。具体的には、メルセデス・ベンツやアウディなど、欧州の高級車の購入を検討するような消費者を想定しているという。

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