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首都圏マンション、バブル期並み高値 販売鈍化もコスト高で膠着

 金融緩和による低金利の影響で好調だった首都圏(1都3県)のマンション販売が鈍化する一方、2019年の平均価格は下がるどころかバブル期以来の高値となりそうだ。建設資材の高騰などが影響しており、不動産業界では「20年も大幅な下落はない」との見方が大勢を占める。

 不動産経済研究所によると、08年のリーマン・ショック後の市況低迷で、1戸当たりの首都圏のマンション平均価格は12年に4540万円へ低下。その後は、日銀のマイナス金利政策による超低金利や景気回復などで販売が活発化し、上昇基調が続く。19年は11月までの平均が6006万円と、1990年の6123万円に次ぐ高値だ。

 価格高騰の影響で、発売された月に売れた割合を示す契約率は16年以降、好調の目安とされる70%を下回る。不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「購入者は時間をかけて物件を厳選する傾向が強まっている」と指摘。11月までの3カ月は一段と悪化し、60%を下回り推移した。

 それでも価格が下がらないのは、土地価格や工事の資材費、人件費が高騰しているからだ。不動産大手幹部は「値下げをしたら採算が厳しい。もっと価格を上げたいくらいだ」とこぼす。

 業者の販売手法も変化した。従来は完成前の完売を目指して値引きする例が多かったが、ここ数年は完成後も値引きをせずにじっくり売っていくスタイルが広がる。

 リーマン・ショックなどを経て、値引きに動きがちな中小の業者が淘汰(とうた)され、資金が豊富で売り急ぐ必要のない大手のシェアが高まっていることが背景にある。用地確保の難しさなどにより、19年4~9月の発売戸数は27年ぶりの低水準に沈んだ。

 共働き世帯の増加も見逃せない。夫婦の収入を合算することで高額ローンを組むことができ、利便性の高い都心の物件を購入する層が高価格帯の販売を支えている。

 ただ懸念は残る。各社の在庫数は昨秋以降に急増し、11月に7525戸となった。業界関係者は「1万戸超が常態化すれば価格下落につながるかもしれない」と話した。

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