2020 成長への展望

川崎重工業社長・金花芳則さん(65)

 ■世界初 液化水素運搬船に社運かける

 --昨年のオートバイの鈴鹿8時間耐久ロードレースで26年ぶり2度目の優勝を果たした

 「私も見に行って勝ったのでうれしかった。かなり明るい話題で、従業員も元気になる」

 --中期経営計画1年目を振り返って

 「前中計でカンパニー制の悪いところが出て、身の丈を上回るプロジェクトを追いかけて失敗したことを反省材料に、カンパニーの下のディビジョン(事業単位)を30から14に再編した。ディビジョン長には自己規律の責任を与えており、今その作業をしている」

 --業界再編が進む造船部門の見通しは

 「中国に2つの合弁会社という強力なパートナーがおり、そのモデルが大変うまく行っている。両社でガス運搬船だけは造れないので、坂出工場(香川県坂出市)で建造しているが、そこも両社への技術移転を考えている。今のところ、他社と一緒になる気はない」

 --鉄道部門の立て直しについて

 「国内外から技術力に期待する声が相次ぎ、これは絶対に止めたらいけないと考えている。ただ慈善事業ではないので、利益を生む体質にしなければならない。そこは場合によっては価格競争に参加しないといったことを、顧客にも理解してもらえるようになってきている。今注文が積み上がっている車両は、そこそこの利益率が取れるのではないか」

 --共同開発のボーイング787に減産の話がある

 「いつから減産するとかまだ決まっていないということなので読みかねているところもあるが、減産になれば少なからず影響はあるだろう」

 --昨年12月に神戸工場で進水式を行った世界初の液化水素運搬船への期待は大きい

 「これは社運をかけている。今年の秋くらいに、オーストラリアの褐炭(未成熟の石炭)から作った水素を液化し、運搬船で神戸に運んで発電する予定だ。それが大丈夫ということになれば、次は商用実証のプロジェクトになる。世界中から問い合わせが来ている」

 --液化水素運搬船の課題は

 「初めての経験なので技術的な難しさがある。ただそれだけ参入障壁が高いので、現場にハッパを掛けている。技術の規格を押さえるのも重要だ」

 --昨秋に宇宙ごみ(スペースデブリ)除去衛星の運用に向けた地上アンテナ施設を岐阜工場(岐阜県各務原市)に設置した

 「今年、実証衛星を打ち上げる予定だが、新たなサービスにも使えないか検討している。宇宙部門は伸びしろのあるところだと考えている」

                   ◇

【プロフィル】金花芳則

 かねはな・よしのり 大阪大卒。1976年川崎重工業入社。車両カンパニー車両ビジネスセンター長、執行役員、常務、副社長などを経て、2016年6月から現職。兵庫県出身。

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