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日航・植木義晴会長「奇跡の10年、目指すものは上に」

 パイロット出身で社長に就き、日本航空再建を主導した植木義晴会長(67)に破綻から10年の受け止めを聞いた。

 --この10年の評価は

 「奇跡だと思っている。破綻後は『明日も会社はあるのか』と思いながら出社していた。簡単に希望の光は見えなかったが、信じられないような業績が出始め、何とか続けることができた」

 --破綻の要因は

 「1980年代に僕らは悪い夢を見た。輸送実績でトップとなり、規模に価値を求めた。バブル崩壊後、本来なら合理化をしなければならないのにずるずるときて、リーマン・ショックで万事休すとなった。社員の当事者意識も欠けていた」

 --会社は変わったか

 「縦割り組織だったが、全く違うものになった。昔は(経営の)数字を知っている人は一部だった。今はみんなが興味を持ち、決算発表の時間になるとパソコンで見るし、お客さま第一で物事を考えている」

 --一方、多くの社員が早期退職や整理解雇などで会社から離れた

 「離れたのではなく、僕らがそうした。この方法しかないと確信し、やると決めた。迷いはなかったが、心の痛みは一生続くと思っている」

 --今後の日航は

 「やってきた分野をさらに進化させるとともに、新しいことに挑戦しないといけない。環境対応も肝になる。目指すものは上にある」

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