2020 成長への展望

地銀の存在価値はコンサルティング 京都銀行頭取・土井伸宏さん

 --京都・河原町支店を10階建てのビルに建て替え、ホテルの併設を計画している

 「地銀の兼業禁止が規制緩和され、構想を進められるようになった。京都市内は観光客が多く、行政や地域の希望もある。銀行としてはマイナスだった店舗維持費が賃料によってプラスに転じ、『店舗がコスト』という考え方が変わる。地域の理解を得ることが大前提だが、今後も老朽化した店舗の建て替え時には市内中心部で不足しているオフィスやマンションの併設が選択肢になりうる」

 --地銀各行では店舗網を縮小する動きが続く

 「各行とも、来店客の減少などさまざまな事情で判断しているのだろう。一方、地域金融機関の大事な役割は顧客との接点。京都銀では現在ある174店舗を将来的に200店舗とする目標があり、拠点をできる限り維持していきたい。兵庫県のように支店が少ない空白地で出店することも検討したい」

 --窓口で現金を扱わないキャッシュレス支店が増えている

 「大阪府や兵庫県などで展開するコンサルティング機能に特化した支店は、従来型の全ての機能を持った大きな支店ではないので、コストを抑えて運営できる。効率化によってこれまで5、6人いた事務の人員を2人で回せるようなシステムができた。極端にいえば、パソコンと携帯電話があれば仕事ができるような営業拠点を今後は考えていきたい。建物の1階部分には商業施設に入ってもらい、銀行は2階にある形でも構わない。店舗はどうあるべきか、新年度からの中期経営計画に考え方を盛り込む」

 --コンサルティング業務が重要になってきている

 「これまでの銀行業は預貸金が中心だったが、地銀の主たる業務がコンサルティングになっていくことは間違いない。ATM(現金自動預払機)やインターネットでの手続きによって店舗への来店客数は減っている。一方で、資産運用や住宅ローン、スタートアップ投資などの相談はネットだけではこなしきれない業務だ。事業承継やM&A(企業の合併・買収)のほかにも新たに認可を取った人材紹介業務を含め、顧客への総合的なコンサルティングこそが地銀の存在価値だ」

 --地銀を取り巻く環境は厳しい

 「マイナス金利の長期化や人口減少など、社会の変化に素早く対応できる態勢を整えることが持続可能なビジネスモデルにつながる。そのためにはコストがかかる事務のAI(人工知能)化を進めるなどし、方向転換できる身軽さを持っておかなければならない」

【プロフィル】土井伸宏

 どい・のぶひろ 滋賀大卒。1980年京都銀行入行。秘書室長、人事部長、常務などを経て、2015年から現職。京都府出身。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus