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粗鋼生産10年ぶり大台割る 昨年9928万トン、米中摩擦の余波

 日本鉄鋼連盟は23日、2019年の粗鋼生産量が前年比4.8%減の9928万4000トンだったと発表した。5年連続の減少で、1億トンの大台を割り込むのはリーマン・ショック直後の09年以来、10年ぶり。東京五輪開催に向けた建設需要の一服に加えて、米中貿易摩擦の余波で投資手控えの動きが広がるなどし、国内外で製造業向けの需要が減ったことが響いた。

 19年は前半に鉄鋼大手で大規模な設備トラブルがあったほか、9月の台風15号による強風で日本製鉄君津製鉄所(千葉県君津市)の製鋼設備の煙突が倒壊するなど、自然災害が相次いだことも生産の足を引っ張った。

 鋼種別では、車などに幅広く使われる普通鋼は4.0%減の7560万トンで、6年連続の減少。強度を高めるなど処理を施した特殊鋼は7.5%減の2368万4000トンで、4年ぶりに減少した。

 同時に発表した19年12月の粗鋼生産量は、前年同月比8.0%減の778万4000トンで、6カ月連続の減少となった。

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