2020 成長への展望

売上高5割 日韓関係改善に数年覚悟 デサント社長・小関秀一さん

 --伊藤忠商事からデサントの社長に就任して約半年が過ぎた

 「この半年で最も大きな出来事が、社長就任直後の昨年7月くらいから影響が出始めた日韓関係の悪化だ。グループ連結売上高の半分程度を占める韓国事業への依存を懸念していたところに、こういう問題が起きた。両国間で政治的な交渉が続くが、関係回復には数年かかると覚悟している。2012年の尖閣諸島国有化で日中関係が悪化したときには伊藤忠商事の一員として北京にいた。あれから7年がたち、今の日中関係には目立った影響はない。辛抱強くやるしかない」

 --日本、韓国との三本柱にするため注力している中国市場は米国との貿易摩擦に揺れている

 「米中という2つの経済大国の動向がこれから一番大きな問題だ。敵対的な経済関係は間違いなく10年、20年と続き、そのはざまで日本経済がさまざまな影響を受ける。それでも中国では中間層が増え、われわれが狙うスポーツ市場の内需は安定して伸びている。右肩上がりの業績をよりシャープに上げていく。中国では現地企業と合弁会社を設立してデサントブランドを展開しており、中国側と日本側で6対4の合弁比率を、日本側が上げられるように交渉している。ただ連結子会社化するつもりはない。中国でビジネスを伸ばすには中国側が主導権を取る方が積極性が出る。そこは一歩譲り、ビジネスをスピーディーに展開していく」

 --昨年のラグビーワールドカップ(W杯)に続き、今年は東京五輪・パラリンピックが控えている

 「ムードは盛り上がっているが、ビジネスに大きくプラスになるかは別の話。国際情勢や経済状況、天候などで業績が大きく左右されるため、足元を見極めてビジネスをやっていかなければならない。ただ、もちろん期待はしている。日本のスポーツ界はこれまで野球が主流だったが、サッカーやバスケットボール、ラグビーと多様化し、社会がスポーツイベントを求めている。東京五輪や21年開催の参加型スポーツイベント『ワールドマスターズゲームズ2021関西』はこうした流れの追い風になる」

 --電子商取引(EC)事業での今後の展開は

 「IT化が進んでいた韓国では、競合他社と比較して平均並みだ。EC大国の中国ではそれ以上に成長させてきたが、日本では出遅れている。逆転するのは簡単ではないが、パートナーと組むことを考えている。デサントが100%で立ち上げて成功させるためには時間と費用がかかりすぎる。デサント商品の知名度を買いたい企業と組み、一気にシェアを上げたい」

【プロフィル】小関秀一(こせき・しゅういち) 東京外国語大卒。1979年伊藤忠商事入社。常務執行役員などを経て、2019年6月から現職。山形県出身。

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