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常磐興産 新ホテル建設、福島復興の牽引役に

 □常磐興産社長・井上直美さん(69)

 --東日本大震災で大きな被害を受けた

 「当社が運営するスパリゾートハワイアンズは余震で大きな被害を受け、11カ月間休業した。みなさんのご支援もあって、被災2年目には、震災発生前の入場者数をカバーできた。自力での再生を確かなものにするため、9年近く努力を続け、既存ホテルは宿泊者数、稼働率とも震災前と変わらない程度まで戻している」

 --スパリゾートハワイアンズに新ホテル「カピリナタワー」を2022年7月開業する。狙いは

 「今年で創業55周年を迎えるが、これまでの国内旅行は、団体旅行や集団での旅行が中心で、宿泊施設も4~5人部屋仕様だ。最近は1~2人で楽しむ旅行のスタイルが主流で、新しい観光客の受け皿が必要だと考えた」

 --インバウンド(訪日外国人観光客)の取り込みは

 「全体の5%程度しかないが、施設内には英語やロシア語、中国語などの外国語が聞こえることが多くなっており、じりじりと増えている感じだ。東北のインバウンドは仙台が中心で、福島には客足が伸びにくい。福島県東部の浜通りに対する(原発事故の)風評が影響しているのではと危惧している」

 --震災復興は道半ばということか

 「原発避難区域や周辺地域も含めた浜通りには、震災前のにぎわいは戻っていない。さらに、昨年の台風19号の被害で、年末年始を避難所で過ごした人もいる。福島の復興へ向けた取り組みは、やるべきことがまだまだ多い。新しい旅のスタイルを好む観光客が喜ぶハードとソフトを備えた新ホテルができることで、当施設はもちろん、国内外から福島に足を運んでもらえるように頑張りたい。冬のシーズンは会津地方の裏磐梯の雪と、ハワイアンズの夏をセットで楽しめるプランなど、福島県内の観光地と連携して、魅力をアピールしていく」

                  ◇

【プロフィル】井上直美

 いのうえ・なおみ 1974年、東京大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)入行。常務取締役などを経て、2010年、みずほ情報総研社長。13年、常磐興産顧問を経て現職。東京都出身。

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