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「特定技能」外国人の雇用拡大後押し 行政書士法人Climb・森山敬氏に聞く (1/2ページ)

 外国人のビザ(査証)申請業務に特化した行政書士法人Climb(クライム)は、昨年4月に新設された在留資格(就労ビザ)「特定技能」でも、日本で働きたい外国人と人手不足に悩む企業のマッチングに精力的に取り組む。森山敬代表社員は「制度が浸透しておらず、外国人雇用に慣れていないこともあって受け入れ企業が少ない。外国人雇用セミナーなど啓発活動に注力し、行政書士法人として今年は1000人のビザ申請を行いたい」と話した。

 --特定技能の許可状況は

 「就労したい職種の技能試験と日本語能力検定4級以上が必要だが、5年間で最大受け入れ人数は34万5000人、今年度は最大4万7000人が目標だ。人手が足りない業界から外国人雇用機会が拡大すると注目されていたが、昨年末時点で在留資格認定証明書交付が1139件、(留学生などからの)在留資格変更許可が1062件と少ない」

 --原因は

 「試験回数も、定員も少なく準備不足は否めない。合格者は貴重な存在で雇用したい飲食店などでは奪い合いになるはずだが、受験申請が難しく面倒なことも不評だった。試験を受けるには登録してアカウントを取得する必要があるが、記入事項が多くアカウントをとるのに時間がかかり、募集開始日に申し込んでも間に合わない。合格どころか受験するのも大変という状況だった」

 --企業側の姿勢は

 「外国人人材サービス運営のダイブ(東京都新宿区)と組んで昨年6月から11回、全国の温泉地やリゾート地で外国人雇用セミナーを開催した。人手不足で外国人雇用に興味を持つ企業が集まり、特定技能を中心としたビザについての説明や外国人を採用するに当たっての注意事項などを説明したが、『(今雇っている外国人は)不法就労かも』といった声を聞いた。例えば、派遣会社からの派遣外国人は就労ビザ取得時に派遣先情報も記入する必要があるが、それを知らずに雇っている。話を聞く限りでは不法就労が業界で蔓延(まんえん)しているかもしれない」

 --特定技能者を受け入れる企業が少ないということか

 「広まらない理由としては『面倒くさそう』『そもそも知らない』という声があった。面倒というのは支援業務が必要なためだ。職業上だけでなく、入国前の生活ガイダンスの提供、日本での住居確保や銀行口座の開設、携帯電話などの契約支援、生活のための日本語習得支援などが求められる。また申請に必要な書類も多いし、出入国在留管理庁のチェックも細かいため企業の対応も難しい」

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