現場の風

住友大阪セメント栃木工場 地元に役立つ工場へ 災害廃棄物処理も

 住友大阪セメント栃木工場長・大橋博さんに聞く

 --栃木工場(栃木県佐野市)の社内での位置づけは

 「八戸の関連会社も含め5工場あるうちの一番規模の小さい工場で、北関東を中心にセメント出荷を担当している。さらに関東圏の廃棄物・副産物も集め、セメント製造の原料や熱エネルギーとしてリサイクルしている」

 --工場の特徴は

 「セメント、鉱山、バイオマス発電の3部門で構成されている。セメント工場は1938年から操業を始め、2012年までは年150万トンほど生産していたが、今は90万トンとなっている。また、近くの唐沢鉱山でセメントの主原料の石灰石を年300万トン採掘しているほか、09年からはバイオマス発電も始めた。2万5000キロワットの出力があり、工場内で使用するだけでなく外販も行っている」

 --約3キロメートル離れた唐沢鉱山から工場まで、地下パイプ内の大型カプセルに石灰石を積んで空気圧で運搬する「カプセルライナー」が有名だ

 「もともと『ガソリンカー』と呼ばれるディーゼル機関車で石灰石を運んでいたのだが、騒音などが問題となって1981年から導入された。当時のソ連の技術で、世界でもここだけにしかないといわれている」

 --昨年の台風19号の被害では近隣地域の災害廃棄物を大量に受け入れた

 「もともと東日本大震災など自然災害が発生した際に各地の工場で災害廃棄物を受け入れており、今回も自治体からの要請で発生の1週間後くらいから受け入れた。土砂や木くず、廃畳になるが、特に廃畳は繊維が絡んで細かくするのが難しかった。処理された廃棄物はセメント製造の熱エネルギーに使われている」

 --今後の事業展開は

 「今回の災害廃棄物処理も含めて『地元にあってよかった』と皆さんにいわれるような工場を目指したい」

【プロフィル】大橋博

 おおはし・ひろし 岡山大卒。1991年に住友セメント(現住友大阪セメント)入社。生産技術部の技術グループリーダー、国際部で中国・雲南の出資会社出向、赤穂工場の副工場長兼生産課長などを歴任し、2019年6月から現職。岡山県出身。

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