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ティーケーピー 会議室シェアに食事や宿泊も提供

 ティーケーピー社長・河野貴輝さんに聞く

 --今の経営環境をどうみるか

 「イラン情勢や米中の貿易摩擦などもあり、先行きは不透明だ。ただ、株価が極端に下落するといったこともなく、落ち着いた展開が続くのではないか。国内では東京五輪などもある。われわれが展開する会議室や宿泊施設などの事業は堅調だ。中期的に見ても、働き方改革などが進むことで、賃金が低下せずに時短が実現すれば、内需の拡大も期待できるのではないか」

 --当面の重点施策をどう考える

 「TKPは会議室やレンタルオフィスなどのいわば“シェアビジネス”を展開している。こうしたリソースをシェアする動きは、単に利益のみを追求するのではなく効率を重視する傾向が強まる中で、今後ますます進むとみられる。こうした流れを踏まえて会議室などの周辺にも事業を広げていく。例えば会議室を利用する顧客に対して食事や宿泊サービスも提供していく、といった取り組みだ。今後も周辺ビジネスの拡大の機会をうかがっていく」

 --今夏に迫った東京五輪の影響は

 「五輪の取材に来る各国のメディアが作業スペースを確保する動きがあり、そうしたオーダーも受けている。混雑が予想される東京を避け、関西などで会議をするというニーズもある。そういう意味では五輪会期中に大きな特需がある。五輪後の9月以降についても、会期中にできなかったイベントや会議を行う傾向があることから、大きな特需は続くとみられる。昨年春にレンタルオフィス・シェアオフィスの世界的なブランドである日本リージャスホールディングスを子会社化した。海外で認知度の高いリージャスと一体になり、外資や海外企業の開拓も進めるほか、付帯する機能も強化する。日本の働き方改革に対しても積極的にサポートしていきたい」

【プロフィル】河野貴輝

 かわの・たかてる 慶大商卒。伊藤忠商事入社。日本オンライン証券(現auカブコム証券)、イーバンク銀行(現・楽天銀行)の立ち上げプロジェクトに参画。イーバンク銀行で執行役員営業本部長などを歴任。2005年8月、ティーケーピーを創業し代表取締役社長に就任。大分県出身。

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